ちなみにBCBAには、4つのレベルがあります。(1)BCBA-D、(2)BCBA、(3)BCaBA、(4)RBTです。
(1)のBCBA-DのDはドクターで、博士号を取得者のレベルの認定になります。
(2)BCBAは大学院修士号を取得した者のレベルの認定です。
(3)BCaBAは大学を通常に卒業した者のレベルの認定です。
(4)RBTは高校卒業以上のレベルの認定です。
ピラミッドをイメージしていただくと分かりやすいと思います。上に行くほど専門性が高く、取得者は少ないです。BCBAは基本単独でサービスを提供することができますが、難しいケースなどは上司にBCBA-Dがいることで、より安定したサービスを提供できます。BCaBAやRBTは、BCBAもしくはBCBA-Dの監督のもとでサービス提供が初めて可能になります(単独のサービスは行わないレベルの認定です)。
どうしてこのようなレベルが必要になるかと言うと、ABAをつかった早期集中型の療育というのは、週に20時間以上が科学的に効果的と言われています。この20時間以上を文字通りBCBAがセラピーをするとなると、膨大な費用になってしまいます。これをそこまでの専門性を必要としないRBTなどのセラピストが直接支援を提供し、そのプログラム全体をBCBAがスーパーバイズすることで、コストを抑えることができるのです。
日本では、公費によるサービスは、児童発達支援事業所などのかなり限定的なサービス(たとえば、週に2、3回で1回90分など)になってしまいます。私費のサービスともなると、コストの面から考えて、たとえRBTとBCBAの両方を使ったとしても、週に20時間以上のような集中的なサービスが提供されることは、現実的ではない状態にあるかと思います。日本とアメリカで、このようにサービス形態は大きく違うかもしれないですが、しっかりとした専門的知識とスーパーバイズされた上での経験が必要なのは、変わらないと思います。BCBAのこれまでのアメリカでの経験をもとに、現在の日本の状況を踏まえた上で、日本で役に立つ認定資格をこれから皆で作っていくことが必要だと私は考えています。